第28回愛知県理学療法学術大会

大会長あいさつ

 理学療法を実施する中で、その目標は多くの場合、歩行能力の向上・再獲得が挙げられています。それは、「理学療法とは主としてその基本的動作能力の回復を図る」と定義されているように、理学療法は坐る、立つ、歩く、等の基本的動作能力の回復を目的としているためです。中でも歩行は、日常生活の中で欠かせない移動手段の一つであるものの、その機構は非常に複雑であり、一度生じた能力低下・活動制限は容易に回復できるものではありません。歩行能力低下の要因には、運動器系、神経系、呼吸・循環器系などの機能障害のみならず、環境的因子も含まれており、あらゆる側面からの理学療法が必要となります。このように多様な歩行を支える機能を理解し、歩行能力回復のための知識と技術を修得することは、理学療法士として必須な事項となっています。そこで、第28回愛知県理学療法学術大会のテーマを「歩行再考」とし、運動器系、神経系、呼吸・循環器系のみならず、環境・参加などの視点も含め、基本的理学療法について「歩行」をキーワードに再考したいと考えています。

 本学会では、「歩行」と「理学療法」という視点に基づいて、特別講演、教育セミナー、シンポジウム、主題発表、若手セッションなどを企画しております。一般演題、症例報告なども行いますので、若手に限らず、中堅、ベテラン理学療法士の積極的な演題登録と熱いディスカッションを期待しております。本会会員を含め、臨床で働く理学療法士や関連職種の皆様が、理学療法の本質を見つめ直す機会となる場が提供できることを確信しております。そしてその結果として、愛知県および各市町村における医療・介護・予防事業の発展と地域包括ケアシステムの構築に理学療法が貢献することができると考えております。

 第28回愛知県理学療法学術大会は、東三河ブロックが担当し、愛知県産業労働センター(ウインクあいち)にて開催いたします。会員の皆様には、是非とも積極的な御参加をお願い申し上げる次第です。どうぞ宜しくお願い致します。

平成30年7月吉日

第28回愛知県理学療法学術大会

大会長 金井 章