会長挨拶
第12回日本股関節鏡研究会 会 長 星野 裕信 (浜松医科大学整形外科) |
このたび第12回日本股関節鏡研究会を浜松にて開催させていただきますことを大変光栄に存じます。本研究会は日本における股関節鏡手術手技の普及と発展をよりすすめていこうという目的で、昨年より股関節鏡フォーラムから日本股関節鏡研究会と名称を変更しました。本研究会が発展し、世界に発信できる素晴らしい研究が多く発表されることを願っています。
股関節疾患の治療には保存療法、手術療法があり、手術療法には大きく分けて関節温存術としての骨切り術と人工関節置換術がありますが、関節温存術の位置づけの中に股関節鏡視下手術が浸透してきています。日本における股関節鏡の症例数は海外と比較するとまだまだ少ないですが、平成28年度の診療報酬改定により関節鏡下股関節唇形成術が保険適応となり、今後益々股関節鏡視下手術が増加していくことが予測されます。特に日本では寛骨臼形成不全を背景とした股関節疾患が多く、日本独自のエビデンスを構築していくことも必要と思われます。股関節鏡視下手術は関節外にとっては低侵襲ではありますが、適応と技術を誤ると関節内にとっては大きな侵襲となり、治療成績に影響します。股関節鏡視下手術は細かい手技が必要であり、治療成績の向上のためにはさまざまな工夫が必要となります。さらに術後のきめ細かいリハビリテーションが術後成績に影響してくると思われます。そこで、今回の研究会のテーマを「治療成績の向上をめざして~術式とリハビリの工夫」とさせていただきました。股関節鏡手術に関わるコメディカルの先生方を含め、多くの方に参加していただけるよう、医師と理学療法士のシンポジウムも企画しています。教育研修講演には、市立ひらかた病院整形外科の大原英嗣先生と北里大学整形外科の福島健介先生にお願いしてあります。お二人とも日本の股関節鏡の発展に貢献されてきた先生であり、股関節外科医の立場から股関節鏡に関する最新の技術と話題について講演していただく予定です。この機会に是非全国より多数の先生方にご参加いただき、股関節鏡に興味のある先生方、コメディカルの方と一緒に活発な討論をし、これからの診療に役立てていただければと思います。
浜松は温暖な気候で、日本でも有数の多くの食材の宝庫でもあります。皆様にはリラックスして研究会と浜松の地を楽しんでいただけるよう、ノーネクタイ、ノージャケットでお越しいただければと思います。研究会でのご発表や討論の合間に是非とも浜松の観光と食をご堪能いただければ幸いです。