大会会長挨拶
日本認知・行動療法学会第46回大会は、2020年9月11日(金)~13日(日)の日程で、安田女子大学を会場として開催することとなっておりました。しかし、新型コロナウィルスの影響で、大会会場での開催ではなく、ウェブでの開催に変更することといたしました。学会員の皆様にお会いできることを楽しみにしていたのですが、残念に思います。また懇親会では、鉄板焼きコーナーを設けて広島のお好み焼きを堪能していただきたかったのですが、これも叶わなくなりました。
日本認知・行動療法学会の目的は、認知行動療法に関する基礎理論の研究、治療技法の開発と評価、種々の不適応行動や症状への臨床介入とその効果評価、研究・臨床実践・教育・研修活動等を促進して、認知行動療法の普及と啓発を行うことです。基礎研究と理論に基づき、臨床応用に展開していくという手法は、エビデンスに基づいた治療を行う上で重要なアプローチと言えるでしょう。こうした日本認知・行動療法学会の基本スタンスに則り、本大会のテーマを「基礎研究と臨床応用の協働と新たな展開」としました。これまで以上に、基礎研究と臨床応用の協働を図り、認知行動療法の新たなる展開を期待したいと考えております。こうした大会テーマのもと、本大会では認知行動療法の基礎研究と臨床応用を促すプログラムを企画しました。多彩な企画シンポジウムやワークショップ、教育講演、シンポジウム、一般演題等の準備をしております。また、特別講演では、うつ病の脳研究者として著名な岡本泰昌先生(広島大学大学院医系科学研究科教授)に脳科学と認知行動療法に関する講演をお願いしております。
今回の大会はウェブでの開催ですので、特別講演、教育講演、シンポジウム、ワークショップはオンデマンド方式で行います。一般演題もウェブ上でポスター掲示をする形態をとることといたしました。これまでの開催方式では、複数のプログラムが並行して開催されていたために、興味のある講演やシンポジウム、ワークショップの時間帯が重なっていて聞けないこともありました。しかしウェブ開催にしたことで、興味のあるプログラムをすべて聞くことができるようになりました。しかも、開催期間を拡大いたしましたので、時間さえ許せば多くのプログラムを楽しむことができるようになりました。これこそウェブ開催のメリットだと思います。直接的な質疑応答はできませんが、ウェブでの質疑ができるようにいたしますので、実質的な違いはさほどないのではないでしょうか。プログラムの詳細、開催期間の拡張については、大会ホームページでご確認ください。また、当日参加も可能にいたしましたが、参加IDの登録に時間がかかりますので、プログラムの視聴にタイムラグが生じることになります。事前参加をしていただくと、期間内いっぱいプログラムを視聴することができると思います。
ウェブでの開催ということで、先生方にはご不便をおかけすることになると思いますが、学会員の安全と健康を考慮しての対応であることをご理解いただければと思います。ウェブ上ではありますが、大会に参加していただき、魅力あるプログラムをお楽しみいただければと思います。皆様方の積極的な参加をお待ちしております。
大会会長 岩永 誠
広島大学大学院人間社会科学研究科 教授