第34回日本臨床リウマチ学会 開催にあたって

第34回日本臨床リウマチ学会
会長 石黒 直樹
(名古屋大学大学院医学系研究科総合医学専攻 
運動・形態外科学講座整形外科学)

この度、第34回日本臨床リウマチ学会を2019年11月30日(土)~12月1日(日)の2日間にわたり、名古屋市熱田区の名古屋国際会議場で開催させていただくこととなりました。日本臨床リウマチ学会は、近畿地区の一部において、リウマチ性疾患の臨床について討議するための研究会として始まりました。順調に発展を遂げ、 1994年からは学会組織として「日本臨床リウマチ学会」となり、実臨床に則した研究発表の場として発展してきました。さらに近年では、医師のみならず、看護、薬剤師などメディカルスタッフや医薬品開発に携わる方々など多彩な参加者が集い、学会への参加者も飛躍的に増えています。我が国におけるリウマチ臨床研究の発表の場として高い評価を得るに至っていると申せます。このような素晴らしい学会で会長を務めさせていただき、大変光栄に存じております。

リウマチを中心とした臨床と研究は、生物学的製剤の登場により飛躍的に発展しました。最近では、新規作用機序を有する薬剤の登場により従来難治であった病態の治療や既存薬剤の他のリウマチ性疾患への応用が模索されています。一方 治療効果の高い薬剤を安全に使用するためには更なる工夫が必要で有るとも考えられます。適切な患者に適切な医療を提供することは未だに達成出来ていません。ゲノム医療に代表されるprecision medicine が一部の医療領域では始められつつある時代に即した実り多き学会を開催したいと思っております。

このためには、医師ばかりでは無く、看護師、薬剤師、理学療法士や作業療法士等が連携する患者中心のチーム医療を実現することが必要です。そして患者中心の医療を提供することが重要と考え、患者さんに日々の生活を楽しんで頂ける社会を目指すことを“日日是好日”というスローガンに掲げました。

今回の学術大会に多くの皆様が参加され、多様な視点から一連のリウマチ性疾患に苦しまれている多くの患者さんを救うため、チーム治療のあり方について、活発な議論がなされることを期待しております。何卒皆さまのご支援を賜りたく存じます。