会長挨拶

第53回日本側彎症学会学術集会
会長 清水 敬親
榛名荘病院 群馬脊椎脊髄病センター、センター長

このたび、来る2019年11月8日(金)~9日(土)の2日間にわたり『第53回日本側彎症学会学術集会』を、群馬県高崎市において開催させていただく事になりました。半世紀を超す歴史を持ち、かつ脊椎関連学術集会の中でも脊柱変形という大テーマを論じ合う学術集会を群馬の地で開く機会を得られましたことを大変光栄に存じます。

日本側彎症学会は、『全脊柱(頭蓋頚椎移行部~骨盤)のあらゆる年齢層における変形』を研究し、苦しんでおられる患者の皆様にいかに有効な治療を提供することが出来るか?を真摯に探求するために存在してきた学会でありましたし、今後もそうあり続けるべきと考えます。それは決して容易なことではありませんが、安全で普遍的な治療法の確立に向け我々医療者は努力し続けなければなりません。さまざまな治療手段に容易にアクセス可能な環境下で、ともすれば若手脊椎脊髄病医が「全脊椎・全年齢層」という当たり前の大切な基本的視点を見失い漂流している(行く)のではないかとさえ思えます。そこで、“全脊椎を様々な角度から眺めてみよう!” を大テーマに掲げさせていただきました。具体的には小児・成人・頚椎の3本柱を軸に議論を深める場を設けようと考えております。3本柱にふさわしいそれぞれのエキスパートを海外からお招きしご講演いただき、また我々の研究に各々のお立場からご発言いただく予定です。側弯に代表される脊柱変形を様々な角度・視点から従来とはやや異なる切り口で論じ合う企画を考えております。脊椎疾患に係わるすべての医療者にご参集いただき、その英知を結集して難題に立ち向かう有意義な議論の場にしたいと心から念じております。前日の11月7日にはpre-meeting sessionとして乳幼児症例検討セッションも設けられ、まさに全年齢層、全脊椎高位を網羅する学術集会として開催される事となります。

群馬はその質・量において全国トップレベルの温泉天国でもあります。学会前後の心身の疲れを温泉で癒やして行かれるのもまた一興ではないでしょうか。皆様のお越しを心からお待ちしております。