会長挨拶

近年、医療の高度化・細分化や少子超高齢社会がもたらす複雑・多様な健康課題に加え、地震や気象変動の影響による大規模災害、そして新型コロナウイルスの世界的感染拡大などが、多くの人々の命や、平穏な生活を奪い、安全を脅かしています。このような予測不能で複合的な課題を解決する一翼を担うために、看護科学の発展が期待されています。地域の健康課題や支援を必要とする人々の複雑かつ解決困難なニーズに対応できる社会の実現に向けて、多様な学問領域の人々との協働により、異なる観点や学問的な知見の融合を図り、共に構想し、新たなイノベーションを創造することが重要と考え、JANS41のテーマを『共創による新たな看護科学の可能性』としました。看護と他分野の融合により開発されたケア方法が持続可能なものであり、また看護現象の発見が看護実践を通してさらなる新たな価値の創造に寄与する看護科学の可能性を本学術集会で模索していければと期待しております。

コロナ禍における研究環境の変化により、研究遂行に影響を受けた等の状況も推察されますが、人々の健康と生活の質向上や看護科学の発展のために、多くの皆様に研究成果を発表していただき、有意義なディスカッションができるよう、お待ち申し上げております。

学術集会会長 百瀬 由美子
愛知県立大学看護学部/大学院看護学研究科