会長挨拶
近年、乾癬の病態に関する研究は格段の進歩を遂げ、新しく開発された治療は私が皮膚科医になった30年前には想像もできなかった素晴らしい効果を発揮しています。しかしその一方で、生物学的製剤によってPASIクリアを達成した患者さんのDLQIが必ずしも0にならないという事実があります。乾癬の患者さんの心に深く思いを致すことは、乾癬の診療や研究に携わるものに必須のことと考えます。また、”Drugs don’t work in patients who don’t take them”という言葉が示すように、どれだけ効果の高い薬剤であっても治療アドヒアランスの向上への医療者の配慮は不可欠です。合併症への対処、患者さんの社会生活への配慮などももちろん重要です。本学会のプログラムを考えながら、皮膚の表面を診ることに留まらず、より幅広く、より奥深く、より心優しい乾癬の診療を行うことの重要性を私自身が改めて認識するに至り、本学会のテーマを” Beyond the Skin Surface”としました。
八月末とはいえ京都の夏は全国でも有数の暑さですので、スーツ、ジャケット、ネクタイ等は一切無用とさせていただきます。会場の裏には高瀬川が流れ、そこから少し歩くと鴨川のせせらぎを聞くことができます。多くの飲食店が並ぶ木屋町通や先斗町も近く、学会の合間に京都を楽しんでいただけるかと思います。本学会が、乾癬とその類縁疾患の診療・研究に携わる医師、研究者、企業の方々、患者さんにとって有意義なものになるよう教室員一同力を合わせて尽くす所存ですので、ぜひ京都にお越しいただき学会にご参加下さいますよう、心からお願い申しあげます。
第34回日本乾癬学会学術大会
会長 加藤 則人
(京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学)
会長 加藤 則人
(京都府立医科大学大学院医学研究科皮膚科学)