第52回日本小児感染症学会 総会・学術集会 会 長 川村 尚久 (独立行政法人労働者健康安全機構 大阪労災病院小児科・感染制御) |
この度、2020年11月7日(土)・8日(日)の2日間に亘り、第52回日本小児感染症学会総会・学術集会を開催させていただくこととなりました。医育機関や研究機関でない一般臨床病院の私に、このような機会を頂けました事を大変光栄に存じております。
2020年大阪での日本小児感染症学会の開催は、日本小児ウイルス研究会と日本小児感染免疫研究会が統合された1987年の第19回(牧淳会長・大國英和副会長)以来の33年ぶりであり、大阪医科大学小児科学教室といたましては、1972年の第4回日本小児感染免疫研究会(西村忠史先生)から48年ぶりとなり、かつて感染症診療・研究の中心であった大阪で33年ぶりに開催する事の責任の重大さを強く感じております。
2019年百舌鳥・古市古墳群が世界遺産に登録されました。本総会ではその前方後円墳を鍵穴に見立て「感染症の問題点を解く鍵」、この大阪城を「子どもたちを守る砦」という、小児感染症および感染免疫の知識と治療を再確認する機会にしたいと思いこのテーマにいたしました。
しかし本年になってからの新型コロナウイルスの国内流行状況は、累計感染者数約10万人となり、現在、第二波はピークを越えて減少傾向にあるようですが、依然として近畿圏や首都圏での感染リスクがあり、ご所属の施設規定で都道府県間移動ができない先生方もおられる事を踏まえまして、苦渋の決断ですが、WEB開催(オンデマンド配信)とさせていただくことと致しました。2類相当指定伝染病の飛沫感染+接触感染のリスクを避けるためには仕方がありません。WEB開催は、
・回線が不安定であったり、通信制限などで遅延が発生したり、会議の途中で接続が切れる可能性や、会議の進行を妨げてしまうリスクがある。
・一箇所に集まって顔を突き合わせ話さないために、バーチャル空間であるため会の雰囲気が読みづらい。 などがあります。
リスクを避けるため座長制をやめて前収録を中心とした構成にしました。そのために双方向性は保てませんが、それらのデメリットを乗り越え、COVID-19だけでなく多くの会員の皆さんに小児感染症についての最新の学術情報を例年通りにお届けできる事に苦心しました。いずれにいたしましてもWEB開催は初めての経験で、慣れない事ばかりで準備が遅れ、関係の皆さまにご迷惑をおかけいたしました。
大阪ならではの様々なおもてなしを準備しておりましたが、皆さんに大阪においで頂けなくなり、会場でお会いして、お話して、親交を深めてなど、全て叶わなくなったことが本当に残念です。WEB開催でご迷惑とご不便をおかけしますが、新しい試みの学会開催にご理解とご支援いただきますようお願い申し上げます。
最後にパンデミック下に日々お仕事されている皆さまにおかれまして、くれぐれもご自愛の上お過ごし下さい。
The 52nd Annual Meeting of the Japanese Society for Pediatric Infectious Diseases
会 期:2020年11月7日(土)・8日(日)